NPO法人監獄人権センター

STATEMENT声明・意見書

森雅子法務大臣による死刑執行に抗議する

声明・意見書

2019年12月26日
NPO法人監獄人権センター

本日、森雅子法務大臣の命令により、魏巍(ウェイウェイ)氏(福岡拘置所)に対する死刑が執行された。監獄人権センターは、この死刑執行に強く抗議する。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックと国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)に向け、日本に対して世界の注目が集まる中で行われた今回の死刑執行は、死刑制度が人権問題であることを否定する、現政権の姿勢を如実に示している。

本日の死刑執行は、第二次安倍政権以降39人目、本年8月2日の山下貴司法務大臣の命令による執行以来である。加えて法務省は、毎年12月の死刑執行を慣例であるかのように継続している。

本日の臨時記者会見で森雅子法務大臣は、記者からの様々な質問に対し、ほとんどの回答を「死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰であり、執行に際しては慎重な態度で臨む必要がある」「法治国家においては、確定した裁判の執行は厳正に行う」という、あらかじめ法務省が用意したフレーズを繰り返し読み上げるのみに終始し、法務大臣としての具体的な見解は示さなかった。

ならびに森大臣は死刑の存廃について、「各国において独自に決定するべき」と述べたが、魏巍氏が再審請求中であったかどうかについては頑なに回答を拒否した。再審請求中の死刑執行は、係属中の事件について司法判断を受ける死刑確定者の権利と判断を行う司法の権限をともに否定するものであり、国連の自由権規約委員会をはじめとする条約機関も日本政府に対し、再審請求中の執行を行わないよう繰り返し勧告してきたのであるから、国際社会からの批判を意識し、これを避けるために、再審請求の有無の回答を拒否したことは明らかであり、日本国として独自に判断することの難しさを、大臣自身が表明している。

我々は、度重なる死刑執行にも決して屈せず、来年日本において国連犯罪防止刑事司法会議(京都コングレス)が開催される機会に、これまで以上に国際社会と連帯し、日本政府・法務省に対して死刑の執行の停止と死刑廃止に向けた具体的な検討を直ちに開始するよう粘り強く求めていくことを改めて決意する。

以上

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