NPO法人監獄人権センター

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オンラインセミナー 拘置所カルテ開示訴訟から考える被収容者の個人情報保護、医療を受ける権利

イベント情報
オンラインセミナー 拘置所カルテ開示訴訟から考える被収容者の個人情報保護、医療を受ける権利

参加無料・申込不要でどなたでもご参加いただけます
参加URLhttps://youtu.be/bC9gXZxFSB4

──私は、わたしのカルテが見たい。ある男性が裁判を起こしました。
刑事事件の被告人として東京拘置所に収容されていた2016年、男性はひどい歯痛に悩まされ、 歯科診療を求めましたが、拘置所の対応は鈍いものでした。そこで男性は、歯についての医師の診断内容などを確認して拘置所に診療の必要性を訴えようと、拘置所収容中に受けた診療の記録(カルテ)の情報開示請求を2017年に行いました。
ところが、請求を受けた東京矯正管区長は、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」第45条を理由に「開示しない」決定を出しました。

「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」(適用除外等)
第四十五条 第四章の規定は、刑事事件若しくは少年の保護事件に係る裁判、検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が行う処分、刑若しくは保護処分の執行、更生緊急保護又は恩赦に係る保有個人情報(当該裁判、処分若しくは執行を受けた者、更生緊急保護の申出をした者又は恩赦の上申があった者に係るものに限る。)については、適用しない。

この条文は、特定の個人の前科等を調べる目的で、例えば就職の際に開示請求の結果を提出させるなどの方法で第三者が情報を取得するのを防ぐために作られたものです。国はこれまで、刑事施設の診療記録(カルテ)も情報開示の適用除外に当たるとして、本人が自分の情報の開示を求めた場合も認めてきませんでした。
男性は、「開示しない」決定の取り消し等を求めて提訴しましたが、一審の東京地裁、二審の東京高裁ではいずれも敗訴。しかし2021年6月15日、最高裁第三小法廷は、刑事施設内での診療記録(カルテ)は適用除外に当たらず、開示の対象であると判断しました。

さらに最高裁判決は、医療はインフォームド・コンセントが基本であり、刑事施設でもその重要性は変わらないことや、2015年に国連総会で採択された国連被拘禁者処遇最低基準準則(マンデラ・ルール)、アンドリュー・コイル著「国際準則からみた刑務所管理ハンドブック」の存在を明示し、「被拘禁者に自己の診療録にアクセスする権利を認めることは,最低限必要とされている」と言及したのです。一審、二審の判決は破棄され、今後は東京高裁で差し戻しの審理が行われます。

寄付金付きチケットについて

このイベントでは、寄付金付きチケットをご用意しています。イベントの参加・視聴はどなたでも無料・申込不要ですが、イベントを通して、監獄人権センターの活動に少しでも興味を持っていただけましたら、私どもの活動へのご支援をご検討いただければ幸いです。
※寄付金付きチケットは2021年10月31日まで購入可能です。
https://cpr20211023m.peatix.com/

このイベントについて

*本イベントは、「YouTube LIVE」を使用し、オンラインで開催します。パソコン、スマートフォン、タブレットからご参加下さい。イベントの参加申し込みは不要です。イベント開催時間内は、YouTube LIVEのチャット欄から質問・コメントを投稿することができます。
※参加URL https://youtu.be/bC9gXZxFSB4

イベントに関するお問合せ

お名前を明記のうえ、メールで監獄人権センター まで
メール:info@prisonersrights.org
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